バッティングセンター

  • 2008.06.30 Monday
  • 17:32
数日前、やんちゃ坊主のYと新宿で待ち合わせをした。
30手前の青年を掴まえて言うのもおかしな言い方だが、Yは逢う度にどんどん子供になっていく気がする。
もちろん見た目は順調に年相応になっているのだが、物への執着や考え方が普通の若者ならその時代に持っている独特のエゴや脂ぎった匂いが彼には無いのだ。
上手く表現できないのだが、いい意味で純粋な色気を持ちそれでいて幼さが抜け切らないY。
大学在学中から有名なクラブやバーを支配人やマネージャーとして渡り歩いた顔の広いYの知る店を梯子して飲んだ。
自分が誘った店では金も無いくせに(それは私も同じだが)帰る時には会計を済ませていたりもする。
少年時代にやんちゃを重ねているYだからこその遊び方なのだろうが、きちんと遊び方を知っている。
Yが大切に思うKちゃんから少しだけ貰って来ましたと平気で財布の中身を見せたりなんかしている。(馬鹿だね〜)

私は今の自分に自信を持ち将来の事を堅実に考え話す若者を見ていると気持が悪くなる。
そして、どうしてそんなに自信があるのかを聞いてみたくなる。
わずかな金を手にする為に相槌で物事を済ませようとしたり、ペコペコと簡単に頭を下げて赤い舌を出している器用な若者を大勢見て来た。

私は年を取る事を恥ずかしいと思った事は1度もない。
無いが、年を重ねる度に気難しくなると私の廻りから聞こえてくる声も知っている。
人は人に嫌われたくないがゆえ、相手がよほど大切な人でない限り深く踏み込まない。
人は本音で相手と話せばその言葉が時に痛いほど図星であったり、きつく聞こえる事がある。
相手が言った言葉が自分が聞きたくない事や認めたくない事だったりするとその言葉は余計鋭く感じる。
面倒は避ける方が楽だから本当に思う事を言ったら空気が不穏になると感じると人は思っていない事を口にする。途端に自分の考えと言葉が誠実でなくなる。

Yが子供の様に純粋に見えるのはこの事と似ている気がする。
仕事を辞め海外に1年程行く事が彼の人生の中では今大きな分岐点になっているみたいだ。
多分何も変わらない。変わらないからこそ行った方がいいと屋台のラーメンを啜りながら勝手な事を私はYに話した。Yは黙ってラーメンを食べていた・・
決して器用で無いYだが、YはYなりの世界とプライドを持って生きていると言う事だ。

長い間従事してくれた本部のTが本日付けで退職をする。
退職と言ってもアルバイトとしてまだ少し手伝ってもらう事にはなるのだが・・・Tが辞める事が決まった1年前にF君が入社して来た。引継ぎなどが現実をおび始めたこの1ヶ月間で彼の顔色が変わった事が弊社にとっては大きな報酬にもなった。

深夜の歌舞伎町のバッティングセンターで酔っ払いのオジサンと若者はどちらがヒットの数が多いかと競ってみる。20代の若者に勝てるはずはないのだが、痛い腰をかばいながらの真剣勝負。
Yに対しての礼儀だから。

ここ数日ある事を悩み悶々としていたものが、ボールを打つ「カキーン」という音と一緒にどこかに飛んでいった。

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