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  • 2016.01.21 Thursday

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    サンタ

    • 2008.12.24 Wednesday
    • 21:28
    珍しい事だが2日続けてこの日記を書いている。と、思ったらこの前の更新は一昨日だった。
    記憶が丸1日ぬけているな。

    午前中、S銀行の担当者Y君が来社する。
    30歳半ばの彼はコンピューターのような話し方(失礼)で目をキョロキョロさせて話をする癖がある。
    最初、会社に出入りしていた頃は私とは挨拶を交わす程度だったから、気付かなかったのだが彼を見ていると名前は知らないがスターウォーズというSF映画に出てくるロボットを思い出してしまう。(本当失礼)アハハ

    午後より、本部のS君と池袋にて打ち合わせを終え、U社長の会社に伺う。先日沢山のイクラを自宅に送って頂いたお礼と打ち合わせを兼ね、年末の挨拶をしてU社長の会社を出た。

    係員が誘導してくれるMホテルの駐車場で、車の出庫を告げると何やら機械の故障で少し時間がかかるとの説明があった。
    会社に戻るだけなのだから、慌てなくてもいいかとホテルのロビーにあるカフェに入りソファに腰掛けコーヒーを頼む。
    暫くすると、隣のテーブル席に私と同じか少し若い位のスーツを着た男と中学生位の少女が私の目の前を通り過ぎてテーブルについた。私は少女がもう少し年が上かとも思ったのだが私はこの位の、特に少女の年齢が解らない。
    「パパ、今日はお泊り出来るよね」
    「・・そうだな。今夜は泊まっていいよ。明日朝5時には出なきゃだけどね」
    人の会話を聞くことは下品な事だと解っている。
    が、愚昧な私は、このやり取りを聞いて2人の関係が酷く気になり始めた。さりげなく辺りを見回す振りをして少女を見直して見る。やはり子供だ・・。なら当たり前だが男と女の関係ではあるまい。
    2人はオレンジジュースを注文し、ウェイトレスが離れて行くと
    「サンタは一体何処から入って来るの」少女がその男に訪ねた。

    少女の年が何歳なのかは解らないがこの会話を聞いて、最初は中学生くらいかと思った私の予測が外れているだと思った。
    長い黒髪と大人びた少し大きめのイヤリングをしているが、きっとまだ小学生位なのだろう。
    まさか中学生になってサンタクロースを信じてはいまい。
    もしかしたら信じている子供もいるかも知れないが、今の、特にこの東京にはいるとは思えない。
    私は少女の質問に男が何と答えるのだろうかと興味を持った。
    男は困ったような顔で「何処から入ってくるのだろうね・・玄関かな」と苦笑いをしている。
    「ママも来れば良かったのにね」
    少女の声が聞こえなかったのか、男は下を向いたまま水の入ったグラスを廻している。

    少女がパパと呼ぶ男は多分彼女の父親なのだろう。
    男は自分の仕事の話や普段の生活をゆっくりだが大人に話すような口調で少女に説明をしている。
    男の話を真っすぐな眼差しで少女は聞いている。
    きっと少女と男は一緒には生活をしていないのだろう。
    男は一人単身赴任にでも出ているのだろうか。
    この後、母親が現れるのだろうか・・
    もしかすると2人の会話の中に出てくる「ママ」は、男とはもう夫婦では無いのかも知れないなと思った。

    ウェイトレスが運んできたオレンジジュースを2人のテーブルに置く。
    少女は小さく頭を下げ恥ずかしそうにだがウェイトレスに向かって「ありがとうございます」と礼を言った。
    たとえこの男と少女が一緒に生活が出来ていなかったとしても、少女はきちんとした誰かに躾けられてきたのだろう。
    ならば、どんな形であれ、男は父親としての役目を果たしている事になるのだろうと思う。

    この少女は今夜、サンタクロースとお泊りする事を知っているのかもしれない。

    久しぶりに

    • 2008.12.22 Monday
    • 10:56
    2ヶ月以上更新をしていなかった。この2ヶ月の間一体私は何をしていたのだろうか・・。
    都合の悪い事は全部思い出せない。アハハ
    年末という事もあり、社内も少し慌しくなっている気がする。さぼっていた私だけだろうか・・

    この2ヶ月の間で少し生活に変化があったとすれば、交通事故に遭遇した事だろうか。
    栃木県のK温泉に出かけた帰り道、対向車がノーブレーキで私の車めがけ突っ込んできた。
    原因は相手の脇見運転だったのだが、車の破損状況とは反比例して私自身は体のどの部分にも痛みを感じなかった。
    しかし事故の2日後、自力では歩行困難な程の痛みと痺れが襲ってきた。年をとるって時間差なのね。
    事故直後には、「私の身体は大丈夫ですからあまり相手を責めないであげて下さい」なんて私はジェントルマンを気取っていた。
    が、2日後に保険会社に動けなくなったまでの報告をした途端、「やっぱり来たか」的な百戦錬磨の担当者に、こと細かに事故からの2日間の状況を説明させられたあげく、担当者は静かに言った。
    「今回の事故では休業補償は出せませんから」

    ・・・切れた。

    休業補償が欲しい訳でも、新車が欲しい訳でもない。(頂けるなら貰うが)
    保険会社である以上、1円でも支払う補償額を少なくすべき事くらい私でもわかる。
    それが彼らのビジネスだから。

    私が欲しかったのは「大丈夫ですか?」の一言だった。
    誠意を感じない保険会社の対応に、その日から1ヶ月以上担当者を怒鳴り散らし、担当者及び責任者を呼びつけ、この体をどうにかしろと完全に私はチンピラ化していた。
    クレーマーになったおじさんを、保険会社の担当者も責任者も困ったような物を見る目で眺めている。
    世話になっているY自動車の社長が、素人相手だからですよと、こちらの保険会社の人間を出して保険会社同士で話させるべきだと忠告をしてくれたが、私は意地でも自分自身でこの問題の決着がつけたかった。
    最後に出てきた責任者のKさん。
    彼のおかげで引くに引けなくなっていたクレーマーのおじさんは普通のおじさんに戻ることが出来た。
    Kさんは私にプロの仕事を見せてくれた。

    私たちもこの商売をしていると年に数回、クレーマーと呼ばざるを得ないお客と出くわす事がある。
    数ヶ月前にも酒を呑んだ客が無茶を言い出したと店から連絡が入った。
    本部のSが普段は見せない顔つきで迅速に店に向った。
    後を追い30分後に店に到着した私にその客はSの事を褒め称え「いい社員を持っていますね」と上機嫌で帰っていった。
    私はSがどんな風に客と話したのかは知らないが、客がSを誉めてくれた事が嬉しかった。
    飄々と何事もなかったかの様に働くSの姿が頼もしいとさえ感じた。
    きっとSは客が求めていた足りなかった何かを感じてそれを埋めたのだけなのだろう。

    リハビリの回数も減り、今月は療養を兼ねて、TさんやBさんなどに誘われた山梨県のI温泉に出かけたりした。
    怒りも冷め始めた頃、不思議と私の腰の痛みも和らぎ始めていた。

    困った

    • 2008.10.09 Thursday
    • 13:40
    午前中、予定が入っていない事をいいことに自宅のソファーの上で死んでいる。
    ずっと天井がグルグル廻っていてしかも頭が割れそうだ。
    割れてるんじゃないかしらと本気で思ったりする。
    つい一昨日も、スーツを着たままシャワーを浴びた事を朝起きてから気付き、自己嫌悪の中、もう深酒はしないと誓ったはずなのに。
    下痢も始まってさっきからリビングとトイレを行ったり来たり。もう出る物なんて何も無いはずだけど。

    昨夜、R社のMさんと打ち合わせを兼ねて食事をしていたまでは良かった。
    Mさんは嫁入り前の27歳。(残念だがもうすぐ結婚されるらしい)アハハ
    しかし日本酒会という同好会を作るほどの酒豪。
    屈託の無い笑顔でスイスイとやる。見ていて気持が良いね〜
    始めて酒の席でご一緒させてもらったのだが、ついついおじさんも調子に乗ってしまった。
    「あなたを始めて見た時にサイボーグかと思いました」
    なんて失礼な言葉が勝手に口から出てくる。それぐらい仕事の時の彼女の表情が厳しいプロの目をしていると言いたかったのだが・・自分の10秒前の会話がどんどん解らなくなっている為にきっと支離滅裂な事を話したのだろうな。

    9時には嫁入り前の娘を帰し、一人フラフラとAのJママの所に顔を出した。すぐ帰れば大丈夫・・
    5時間後、泥酔の状態でタクシーに乗った・・多分。。

    数日前に埼玉県越谷市にあるレイクタウンという巨大(日本で一番大きいらしい)ショッピングモールのオープンの催しに出かけていた。
    私が行っても何が変わる訳ではないのだが弊社の「いちや」もこの施設の中で商売を始めるからだ。
    本部のS君やF君、Kさんなんかも厨房着を着て大きな声を張り上げている。
    以外に厨房着が似合うね。
    そう言えば、立川で数ヶ月間に渡り繰り広げられてきたラーメンバトルなる大会もいよいよ決勝大会。
    で、何故だか決勝まで残り、北海道の有名ラーメン店「純連」さんとの対決に、これも何故だか勝ってしまい、とうとう優勝してしまった。
    大きなトロフィーや雑誌社からのコメントを求められたりして、一番驚いたのは私自身だった。
    会場の人達にマイクを使って礼をいいながら、少しだけこの仕事をしてきて良かったと思った。
    素直に嬉しかった。

    頭痛がする状態で出勤する為、駐車場で車のエンジンをかけようとするとアパートの管理人のおじさん(通称ナマズデカ)が近づいて来る。
    彼は私がこのアパートに越してきた時から何故か私の事を特別に管理してくれる人なのだ。
    以前、邪魔になったゴルフバックを深夜にそっとごみ置き場に置いておいたら(もちろん名前は付いていない)翌日笑顔でゴルフバックをわざわざ持って来てくれた。
    酔っ払って植え込みに人型を作った翌朝にはその現場に私を立ち合わせて犯人は近くにいると断言したりしていた。
    私が勝手に自宅のパソコンをインターホーンの差込から繋いだ為にアパート全館のインターホーンが使えなくなってしまった朝には一番に私の部屋を見せてくれとナマズ刑事はやってきた。

    車の硝子越しにナマズ刑事が何か言っている。少しだけ硝子を開けるが私は彼の目を見ない。
    「昨夜、ここにゲ〇した奴がいるんだよね〜掃除するのに大変だったよ・・・いってらっしゃい」
    ナマズ刑事はそれだけを言う為に管理人室から飛び出して来たのだろうか・・・

    数日前の雨の夜、新宿でKと逢った。
    大人数で呑んでいたのだが、何故だかKの話に私は吸い込まれた。

    Kとは今年の夏にSの自宅で1度逢った事があるのだが、その時は一言二言会話をしただけだった。
    夏に逢った時の印象は風貌も手伝ってか「うさん臭い奴」だと思った。
    私よりも2つ程年下なのだが、ずっとプロ野球の最前線の中で働いて来た彼は今までに逢った事の無いタイプの人間で、最近、最愛の幼いわが子を亡くした事なんかを淡々と話してくれた。
    又逢う約束をして「失礼します」と笑顔で車を降りた彼はバックミラーの中で小さくなるまで私を見送っていてくれた。彼の廻りに人が集まる理由が何となくわかる気がした。

    そう言えば、R社のMさんと話している最中にも、AのJママと話している最中にもMさんとJママの名前が思い出せなくなって困った。本当に困った人だ。

    御礼

    • 2008.10.01 Wednesday
    • 17:19
    10月に入った。このブログ?を9月には1度しか更新していない。更新しない理由はちゃんとある。
    書く気になれなかったからだ。理由は言いたくない。
    それならば、何故今書いているのかと言うとある人に礼が言いたいからだ。
    直接言えば良いのだが、文章で頂いたものは文章で返したいと思った。
    以前会社に匿名の女性から「いちや日記」は一体いつになったら更新されるのですかと、怒った口調の苦情の電話が来た事を本部スタッフのS君から聞いた事がある。S君も私に報告しながら困った顔をしていた。
    誤解を招く乱暴な言い方かもしれないが、別にこの日記を止める事など大した事ではない。
    誰の為に書いている訳でもなく、書きたいから書くだけで書きたくない時には書かないだけだ。

    昔から天の邪鬼な所があった。
    子供の時分からこの人(大人)の本心は何処にあるのだろうなんて担任の先生に頬を打たれながら何処か冷めた場所で考えたりしていた。

    昔、短い間だが好きになった女性がいてその人に電話をかけた。
    ひと回り以上の年齢の違いや、物事の価値観の違いがあって恋愛としては長続きはしなかった。
    と、いうよりどちらとなくその空気を読み取り出逢った頃の環境にお互いが戻ったと言う方が正しいかもしれない。
    普段、よほどの事が無いと電話をかける事などないのだがベルを鳴らした。
    電話に出た彼女は昨夜も一緒に食事でもしていたのかの様に、あの頃のまま軽口を叩き「あなたが電話してくるのには何か理由があるよね」なんて私の心を見抜いている。
    久し振りに聞く彼女の声は明るかった。
    「お姉さんに話してごらんなさい」受話器の向こうでおどけている顔が浮かぶ。
    私は正直に今悩み判断せねばならないでいる仕事の事を話した。
    女優と言う職業の彼女に理解出来る筈など無いと思ったが、掻い摘んで要点だけを話した。
    「私なら次に切り替える」
    1秒で答える所が彼女らしくて可笑しかった。最近にあった私の近況を報告をすると驚いていたが喜んでくれた。礼を言って電話を切った。

    私は彼女の助言では無い方を選択した。

    人が人を裁く事など不可能な事で、他人と比較するから物事はどんどん可笑しな方向に進んでいく。
    役者をしていた時分は商品は自分だった。だから全ての責任が自分にあった。
    必然的に裁く対象は自分でしか無かった。
    今は私を含め組織を作った以上、裁く相手は他人である。
    元来、自分が興味を持つ方向に進む事が得意で楽しい事を探すのは名人だと思っている。
    楽しめる事の方向が今の生業だったから気がつくとこの場所に居たのだが、今は考えなければいけない事はつまらない事ばかりだ。

    読んでいる人には訳の解らない支離滅裂な文章になってしまった。
    この文章とは何の関係も無く、今まさに上映中の人気映画の脚本をも勤めた脚本家O氏のブログに私の事が書いてある事を友人から聞き読んでみる。
    嬉しい事が書いてあった。文章の上手さに感動した。O本当にありがとう!

    引退

    • 2008.09.05 Friday
    • 16:52
    事務所にあるカレンダーを見たら9月に入っている。当たり前か。
    しかし、恐ろしい速さで時間が過ぎている気がするのは気のせいかしら・・

    自宅に住み着いた鈴虫達が餌を与えているにも関わらず雌が雄を食べてしまった。
    茄子と鰹節を与えていたのだが、鰹節が無くなった途端に雄が餌食になったようだ・・
    以前、ここに雌が美しい羽音を奏でると書いたが私の知識不足であり羽音を奏でるのは雄だった。
    お詫びを申し上げる。
    虫かごには卵の様な白い小さな粒が硝子面や石に付着している。
    雄の仕事は終わったと言う事か・・・
    雌の為に一生懸命子守唄を唄ったあげく食べられてしまうのでは鈴虫も不憫なものだ。
    似たような話を人間の世界でも耳にする事がある・・アハハ

    昨夜、一人でT鮨のカウンターにいると聞き覚えのある声がした。
    板前のTさんと話している横顔に見覚えがある。
    Kさんだ。私が視線を送るとKさんも驚いたように私を見て大声を出している。
    私の髭の白髪が増えた事を笑いながら幾つになったかを聞かれた。
    41歳だと私が言うと「そうか・・清原と同じか。まだまだ若いよ。まだやれるよ」
    なんて真顔で言っている。よほど清原選手の引退が悲しいのかそれとも相当な贔屓なのだろうな・・

    Kさんは丁度10年程前に私が会社を立ち上げる上で色々と世話になった方で、弊社が現在の場所に移転してからここ数年何となく疎遠になっていたが、この辺りでは知らない人のいない不動産会社の社長だ。
    無沙汰を詫びると「いいの、いいの」なんて言いながら私の横に腰掛け酒を注文する。
    そういえばKさん、鮨好きがこうじて、本業そっちのけで銀座の鮨屋のビルを買い取った話を風の噂で聞いた。
    自分の目にかなった板前さんをくどきKさんが納得するネタを出す鮨屋らしい。
    どうりで今夜は板前のTさんやSさんなんかが緊張した顔で握っているのだな。
    Kさんは板前のTさんの握る鮨が食べたくて時々この店に顔を出すのだと言う。
    まさか引き抜きでは無いだろうがTさんにしてみれば職人みよりに尽きる話である。

    KさんはT鮨で一番若い見習いのN君に「お客の酒が無くなった事を見ていなきゃダメだ」と叱っている。
    他のお客にしてみればこの店のオーナーにでも見えるだろうな。
    私と話しながら日本酒を呑み、目線は職人の仕事を追っている。
    「かっぱ巻きを握ってくれ」と見習いのN君に言う。N君も緊張した面持ちでかっぱ巻きを握り始める。
    N君が握った鮨をKさんは旨いともまずいとも言わず只黙って酒を呑む。
    こう言う客が職人を育てるのだろうな。

    「巨人(本当はオリックスですが)の清原が引退する日まで白髪を染めないんだ」とKさんはおっしゃっていた。
    贔屓とはそういうものだ。
    又一緒に酒を呑む約束をしKさんが先に店を出た。
    板前のTさんから私の会計もKさんが済ませボトルまで入れて頂いた事を聞いた。
    あまり見かけなくなった粋な酒の呑み方が出来る人である。

    私には、Kさんは見習いのN君の鮨を食べに来ている様に見えた。
    鈴虫の雄がいなくなった後、新たな雄を買って虫かごに入れるべきかどうかをT鮨のカウンターで考えていた。食べられたから次じゃあまりにも雄が理不尽だよな・・

    にちにち草

    • 2008.08.27 Wednesday
    • 14:14
    朝起きると、ベランダに咲くにちにち草に水を与える事が日課になっている。(じいさんだな・・)
    1年以上前に、あるゴルフ場で帰りがけに支配人より頂いた小さな2つの鉢植え。
    本当は一緒にゴルフに出かけたBさんにもと、2つ頂いたのだが「おまえにやるよ」の一言でしょうがなく2つを引き受ける事にした。
    自宅に持ち帰り数ヶ月前に小さな細長い鉢植えに移し替えたのだが、右半分に咲く白い花を附ける方は花を開き、赤い花を附ける方がずっと小さな蕾のままなのが気になっている。
    同じ土壌で育っても発育や成長が違う事がまるで人間社会の絵図のようで赤い方は不憫に見えたりもするから不思議だ。

    数日前に映像製作会社を経営するSの自宅に花火を見に来ないかと誘われ小雨の中を調布に向かった。
    Sとは6,7年前、雑誌社が企画したあるパーティーに出席した時、偶然出席していた知人のOに紹介されたのがSとの最初の出逢いだった。
    始めてあった時Sはどうしようもない人間の匂いがした。
    私は同じ匂いがする者に対してだけ感じる嗅覚が必要以上に働く事がある。

    Sの住む高層アパートは最上階にありベランダだけでも私の住む部屋がそのまま入ってしまうのではと思う広さで、到着した時分には既に見た顔を含め2、30人のSの友人達が集まっていた。
    私は、面識のある司法書士のA、行政書士のK、会計士のMがいるテーブルに腰を降ろした。
    「士」がつかないのは私だけだな・・武士。アハハ
    厨房にはSの幼馴染のKのお弟子さんがわざわざ鮨を握りに来てくれている。
    家庭で板前さんが鮨を握っている姿は始めて見た。こういうのがセレブなパーティーと言うのならば又、場違いな場所に来てしまったのかと後悔したが、皆Sの人柄で集まっている事がわかって安心する。

    久し振りに逢うSは優しい目をしていた。
    3ヶ月前に生まれた玉の様な息子を愛しい目で眺め笑っている。
    奥様のMちゃんとも始めてお逢いしたのだが、Sの目が変わった理由が納得できた。

    始めてOに紹介された時のSは口元は笑っていても目は笑っていない鋭い眼光が印象的だった。
    それでも、暫く付き合う内に男同士の約束を守ろうとするSが私にはとても不器用な男にも見えた。
    女性がいる場所でのみ男同士の約束や結束を誇示する者は多い。勿論、利害関係も含めて。
    Sは男同士(少なくとも私と)約束をした事をいつも必要以上に守ろうとする。
    酒の席で何気に約束した「送りますよ」が数日後にきちんと会社に送られてきたりする。
    送られてきた本人の方がびっくりする。
    男同士で飲み会をしましょうと、大勢集まりますよと幹事を引き受けたSが音頭を取って新宿に集まったのは私を含め4人だった事もあった。

    酒を呑む席でSの父親の事を私が聞いた時、Sは申し訳なさそうに父親と言う存在を知らないのだと話していた。
    地方から裸一貫で上京したSはきっと人に裏切られても来たのだろう。
    だから、敵か見方かを己の感じるアンテナを使って手探りで判断する。
    最初に見たSのどうしようもない匂いはそれだったのかもと思う。
    それでも己の生業をなめない厳しい経営者には変わりがない事を、同席していたSの会社の社員の方達を見て感じ取れた。きっと厳しい社長なのだろう・・・Sの元で働く彼らは幸せだと思う。

    数日前、熱血政治家I、麻布十番の主Y、死神博士Aでゴルフに出かけた。
    スコアーの悪い者が罰としてカツラを被ってゴルフをした。
    ゴルフ場のスタッフ達は怪訝な目で私たちを見ている。
    多分このゴルフ場には次は入れて貰えないかもしれないな・・・アハハ

    死神博子

    つがい

    • 2008.08.12 Tuesday
    • 17:15
    甲子園では慶応が2回戦をも突破し、オリンピックでは北島康介選手が金メダルを決めた。
    地球温暖化で世の中まで異変が起き始めている。別に他意は無いのだが暑いはずだ・・アハハ

    父親の具合もあって時期をずらした形で私は数日前まで田舎に戻っていた。

    昨日東京に戻ると、どこかいつもと街並が違って見える。人が少ないからだろうか。
    そうか、お盆休みが始まっているのだ。
    そういえば熱血政治家IとEちゃんは子供達を連れて益子に里帰りをするらしい。
    本部のF君は奥様とお洒落に「グァムに行くんです」なんて笑っていた。
    角刈りTもYちゃんと熱海辺りにゴルフ旅行に出かけるなんて連絡が来た。
    皆、この時期には何処かに出かけてしまう。
    時期をずらした事もあるのだが、私には何の予定もない・・・
    そうだ。製薬会社社長Bさんならきっと暇な筈だ。思って電話をかけてみると
    「悪い、悪い。蓼科の別荘にいるんだ」なんて笑っている。
    ズルムケオジサンことSさんにいたっては、太平洋の船上にいた・・・
    皆、何処かに出掛けているのね・・・死神博士くらいは東京にいるだろう・・・電話してみよう。

    私が帰省している間に幕張で行われている音楽イベント、サマーソニックに弊社の「いちや」が出店をしていた。
    今回、私はこの企画には一切口を挟まず、最近痩せたと評判のメタボS君と、わが道を行くNが中心となり無事イベントの終了報告を受けた。
    彼らだけで5000食分もの食材をトラックに載せ8人のスタッフ達がこの夏のイベントを楽しんだ事は彼らにとっても大きな収穫であったのだろう。
    昨夜メタボとわが道N、本部のF君とで近所のT鮨で簡単な打ち上げをした。
    皆が千葉にある社員寮には宿泊せず殆ど3日間を徹夜の状態で厨房のコンクリートの上にて数時間の仮眠をとっただけの話を聞いて、若さは素晴らしいなんて感動したりした。(私も時々コンクリートに寝ますが・・)
    又自分たちでやりたい様な話の中でそれならば、先日お話を頂いたF1にも出店しようかと私が言うと何故か全員下を向いていた。アハハ

    実家に戻ると、逢わない時間だけ年老いた両親が私の好物を食卓に用意し待っている。
    到着した翌日午前中に墓参りに出かけ高速を使って金沢東町にて鮨を食べ兼六園を散歩した。
    散歩と言っても年老いた父は杖を使っても多くは歩けない。
    小さくなった背中でベンチに腰掛けカキ氷を食べる父。
    父のシャツにこぼれたそれを黙って拭いている母。
    この人達が私達息子を育てる為に、時には自分達の何かを犠牲にして歩んできた人生を真剣に考えた事も無い、只生きて来たポンコツ息子が傍で座っている。
    日差しの強い兼六園の木陰から虫の声が聞こえていた。

    東京に戻る高速道路のサービスエリアで、鈴虫が売られていた。
    鈴虫は、つがいでなければあの美しい羽音を雌が奏でる事はない。
    少年の頃には鈴虫や蛍など、道の端や田んぼに行けば何処にだっていた。
    クーラーの効いた店内で売られている鈴虫を見ていたら、幼い頃、祖母が夕方になると縁側に腰掛け団扇を扇いでくれていた姿を思い出す。
    ずっと当たり前にいつまでもこんな時間が続くと思っていた。

    祖母の膝の上でうたた寝をしながら鈴虫の羽音を聞いていた気がする。
    あの頃、少年の私は祖母の膝の上で一体どんな夢を見ていたのだろう・・

    お盆が終わると、東京の街も静かに秋の準備を始めるのだろう。
    今朝は鈴虫の羽音で目が覚めた。

    事件

    • 2008.07.26 Saturday
    • 13:15
    数日前から両足に痺れと腰の痛みを感じ、雨でも降るのかしらなんて呑気に考えていた。

    先週辺りから自宅アパートに取り付けてある便所のウォッシュレットの調子が悪く、週末を利用し数日前に生まれた熱血政治家IとEちゃんの次男の顔を病院に見に行った帰り道、K電気に寄ることにする。
    先週メーカーの人に見に来て貰った所、便器の大きさに合うものを設置すると13万円程かかりますね。
    なんて涼しい顔をして言われたのでとっとと、お引取り願った。
    その10分の1の値段位で大手電気メーカーには、色んな装備が着いたものがある筈だもんね・・
    便器コーナーに着くと早口の店員の彼が訳の解らない横文字を使って説明を始めるも私には何がなんだかわからない。
    イオンがプラスでもマイナスでもそんな事はどうでもいい。
    私は私の可愛そうな痔を患った肛門さえ洗浄してくれればいいのだ。
    結果1番安価な商品を買う事に決めた途端、早口の彼が心なしか元気が無くなった。
    「取り付けはご自分でされますか」
    出来れば取り付けて頂きたいまでを伝えると
    「普通の方ならばどなたでも取り付けれますが、かしこまりました。取り付け料は7800円です」
    なんて又早口になる。
    「普通の方なら・・・」なんか私が普通じゃないみたいに聞こえるな。
    しかも7800円なんて値段は払いたくない。
    自分で取り付ける事を決め大きな箱を担いで店を出た。
    自慢じゃないが、男子が好む日曜大工的な事は生まれてこの方上手く出来た試しがない。
    しかし、早口の彼が言った「普通の方なら」を信じようと決めた。

    自宅に戻り取付けを開始。正確に言うと今まで着いていたウオッシュレットを取り外す事から始める。
    取り外しは簡単に終了。やれば出来るじゃないか・・
    箱から商品を取り出そうとすると、えらくバラバラにしてあるななんて思う。
    通信販売で物を頼む事を止めたのはカタログで見た商品が箱を開けたらバラバラだった事にショックを受けた事が理由だった。
    説明書を読んでみるが全く理解出来ない。止水栓だけが理解できた。
    小1時間程、説明書を見ながら格闘するが、訳の解らない部品(ネジやパッキン)が10数個以上余った。
    何故だ・・・・もしかしてこの商品に限って当たりかなんかで部品が多めに入っていたのだろうか。

    余った部品の事は考えていてもしょうがない。
    無視して何とか形にはなったので便器に乗せてみる。
    素晴らしい・・完璧にウオッシュレットだ。
    コンセントを差込み、素人が忘れがちなアースもきちんと繋いだ所で試運転。
    チョロチョロチョロ・・・なんだこれ。水が勢い良く出ないしこれでは肛門に水が届かない。
    レベルを強にしてもずっと変化が無くチョロチョロチョロ。
    解った。きっとこれは試運転作業で何処かに使用切り替えボタンがあるのだと思いパンツを下ろしたまま田植えをする様な格好で頭をひねって便器の下部より見上げてみた。
    あった!やはりボタンを発見。無理な体勢で手を伸ばしてボタンを押した瞬間「グゲェ」というカエルの様な声が出た。全身に電気が走った。そして動けなくなった。

    1ミリも動けなくなった私に、無情にも勢い良く飛び出した水は私の全身をウオッシュしてくれている。(実話です)誰かが見たら間違いなく変質者だろうな・・

    数時間後、MRIとレントゲンの結果を私は入院先の病室のベッドで説明を受けている。
    「ぎっくり腰ですね・・・何か重い物でも持ちましたか」
    おそらくK応大でも出たのだろう雰囲気をかもし出し、福山雅治バリのかなりイケ面の低音ボイスの若い医師に、よれよれのTシャツとパンツ姿で病院に運ばれたオッサンはどうしても本当の原因が言えなかった。
    せめて低めの声で「なぜですかね」と言おうとしたら声がひっくり返った。
    男として・・男のプライドにかけて。

    歓送迎

    • 2008.07.19 Saturday
    • 16:23
    今日から世間は3連休。いつもとは打って変わって静かな事務所内はF君と2人きり。
    みんな海にでも出かけているのだろうな・・しかし暑い。

    先日、本部の歓送迎会を行うので出席して欲しいと言われ新宿に向かった。
    私は日頃の行いが悪いせいで、こうした会に出席する事がどうも苦手だ。
    自分の機嫌や都合で人を怒鳴ったりする自分を再確認させられる場所のようで・・
    普段は我慢強い女性スタッフ達がこういう場所では水を得た魚の様に、私の日々の行動パターンを親切に説明してくれる。
    ドアをノックした時の「はい」と言う返事の仕方や出社した時の「おはよう」と言うたった一言でこの人達にはおじさんの本日の機嫌までわかってしまうらしい・・

    本部のSやF君、Nさんとで新副都線に乗り新宿に向かう。
    しかし降りる駅を間違え暑い中をとぼとぼ歩いて会場となる店に向かう。
    個室に通され中を覗くと弊社の歴代の事務の女性達や懐かしい顔が既に、ほろ酔い気味になっている。
    このまま帰ろうかしら・・なんて思ったりする。
    先月で退社した親分のF、ハワイアンのN、プロスポーツ選手を旦那に持つWなど10人程で個室を取り食事をした。
    歴代の事務員さん達が(全員ではないが)顔を並べているとそれはそれで恐いものがあった・・アハ
    弊社では何故か、こういった会になると過去に勤めていたスタッフ達まで集まり、新しい顔ぶれのスタッフに私の面倒を見るのがどれくらい大変なものかを説法する習慣がある。
    こういうのを組合って言うのかしら・・
    私は黙って酒を呑んでいる。全て本当の事だからしょうがない。
    私が指示し、徹夜に近い状態でさせた仕事を、翌日私は
    「誰がこんな事を言った」
    とFさんを怒鳴りやり直しをさせた話。
    何かの間違いではないのだろうかと思うのだが・・
    完全にボケ老人化している様な話なのだが証人達が目の前にいる。
    私の機嫌の悪い日には事務所の電話に外出先からかけた私の番号が表示された電話が鳴ると皆で誰が電話を取るか譲り合っている話や、私が予定より早く帰社すると、皆が残念そうにしている話。
    本人を目の前によくそんな話を・・
    そう言えば、笑い声が聞こえる皆の部屋が気になり私が入室すると皆の笑いが止まったりする。
    以前に、パソコンのサイトに「あなたは嫌われる上司になっていませんか」などと言うアンケート形式のシートに遊び半分で私の普段の行動をマークしていくと「大変危険です」と言う回答になった。
    私の人間性が危険なのか、私の身が危険なのか暫く考えていた事があったな・・

    耳が痛い。だから私の酒の量も自然と増える。

    それでも退社の2月程前にFさんが始めて大切な彼と一緒に私を食事に誘ってくれた事が嬉しかった。
    Fさんの彼Y君は茨城訛りの朴訥とした酒の好きな男ですぐに意気投合し2軒目の店ではテーブルの上に乗り一緒にカラオケなんかを唄い踊り盛り上がった。
    調子に乗った私はその先の事はあまり覚えていないほど酒を呑んだ。
    翌日出社したFさんに昨夜の礼を言い、彼氏であるY君の連絡先を聞いたら優しく微笑みながら結局教えて貰えなかったな・・アハハ

    それでも私なりに懐かしい顔をみながら楽しい酒を呑めた。
    忍耐強いスタッフ達のおかげで今日まで何とかやってこれた・・・本当に感謝している。
    次はFの正式な結婚の知らせを聞く事になるのだろう。

    残念だったのは、歓送迎会であったのに新しく入社した学習院卒のU君、電通からの転職組みM、私と同じ年には見えないK、パソコンだけは誰にも負けないと履歴書に書いたKなどが仕事で出席できなかった事。
    基盤の出来ていない会社に入社させ日々が尋常でないほど仕事に追われている。
    申し訳ないと思っている。

    バッティングセンター

    • 2008.06.30 Monday
    • 17:32
    数日前、やんちゃ坊主のYと新宿で待ち合わせをした。
    30手前の青年を掴まえて言うのもおかしな言い方だが、Yは逢う度にどんどん子供になっていく気がする。
    もちろん見た目は順調に年相応になっているのだが、物への執着や考え方が普通の若者ならその時代に持っている独特のエゴや脂ぎった匂いが彼には無いのだ。
    上手く表現できないのだが、いい意味で純粋な色気を持ちそれでいて幼さが抜け切らないY。
    大学在学中から有名なクラブやバーを支配人やマネージャーとして渡り歩いた顔の広いYの知る店を梯子して飲んだ。
    自分が誘った店では金も無いくせに(それは私も同じだが)帰る時には会計を済ませていたりもする。
    少年時代にやんちゃを重ねているYだからこその遊び方なのだろうが、きちんと遊び方を知っている。
    Yが大切に思うKちゃんから少しだけ貰って来ましたと平気で財布の中身を見せたりなんかしている。(馬鹿だね〜)

    私は今の自分に自信を持ち将来の事を堅実に考え話す若者を見ていると気持が悪くなる。
    そして、どうしてそんなに自信があるのかを聞いてみたくなる。
    わずかな金を手にする為に相槌で物事を済ませようとしたり、ペコペコと簡単に頭を下げて赤い舌を出している器用な若者を大勢見て来た。

    私は年を取る事を恥ずかしいと思った事は1度もない。
    無いが、年を重ねる度に気難しくなると私の廻りから聞こえてくる声も知っている。
    人は人に嫌われたくないがゆえ、相手がよほど大切な人でない限り深く踏み込まない。
    人は本音で相手と話せばその言葉が時に痛いほど図星であったり、きつく聞こえる事がある。
    相手が言った言葉が自分が聞きたくない事や認めたくない事だったりするとその言葉は余計鋭く感じる。
    面倒は避ける方が楽だから本当に思う事を言ったら空気が不穏になると感じると人は思っていない事を口にする。途端に自分の考えと言葉が誠実でなくなる。

    Yが子供の様に純粋に見えるのはこの事と似ている気がする。
    仕事を辞め海外に1年程行く事が彼の人生の中では今大きな分岐点になっているみたいだ。
    多分何も変わらない。変わらないからこそ行った方がいいと屋台のラーメンを啜りながら勝手な事を私はYに話した。Yは黙ってラーメンを食べていた・・
    決して器用で無いYだが、YはYなりの世界とプライドを持って生きていると言う事だ。

    長い間従事してくれた本部のTが本日付けで退職をする。
    退職と言ってもアルバイトとしてまだ少し手伝ってもらう事にはなるのだが・・・Tが辞める事が決まった1年前にF君が入社して来た。引継ぎなどが現実をおび始めたこの1ヶ月間で彼の顔色が変わった事が弊社にとっては大きな報酬にもなった。

    深夜の歌舞伎町のバッティングセンターで酔っ払いのオジサンと若者はどちらがヒットの数が多いかと競ってみる。20代の若者に勝てるはずはないのだが、痛い腰をかばいながらの真剣勝負。
    Yに対しての礼儀だから。

    ここ数日ある事を悩み悶々としていたものが、ボールを打つ「カキーン」という音と一緒にどこかに飛んでいった。

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